アトピーを本気で治すために知るべきこと① (アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 要約)

アトピービジネスにうんざりしたので、怒りに任せて書きます。

この記事の目的

患者側の知識を増やすことにより、自分の病状の理解や医師との円滑なコミュニケーションを行えるようになることを目的としています。

また、アトピー性皮膚炎の治療は自発的な行動も大切と言えるためより理解を深め、いち早く寛解寛解を目指すといった思いで要約しています。

この記事で書くこと

私が意識したり実践してる、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021に書いてあることを個人的にまとめたものです。

注意事項

筆者は医療従事者でもなんでも無い一般人です。

専門的な知識なんてありません、そしてかなり主観入ってます。

筆者はこう思ってます程度に読んで気になったら自分でガイドライン読んでください。

なぜ医療従事者向けのガイドラインを患者が読むのか

アトピー性皮膚炎の治療は患者と医者の信頼関係(アドヒアランス)が大切で、本気で治したいと思うのであればお互い能動的に行動をする必要があります。

気になることや懸念点などあれば、医師に積極的に(あくまで常識的な質問量で)質問をすると良いと思います。
質問に対してまともに向き合ってくれない病院や医師は避けたほうが無難でしょう。

患者自身がアトピー性皮膚炎と言う病気を理解し、適切に薬を利用した上で悪化因子の排除やホームケアを行うことで寛解状態を維持しやすくなります。

また、知識が増えることにより主治医の言いたいことが分かりやすくなることや、医師と建設的な議論ができることによるアドヒアランスの向上も見込めると考えています。

アトピー性皮膚炎は根本治療する病気ではなく、向き合っていく病気なのでこの時点でめんどくせって人はとりあえずステロイド塗るというのも向き合い方としてありだと思います。

そんなので治ったら苦労しないが?

わかります。

自分も治らなすぎて医者に逆ギレされるくらいだったのでわかります。

この記事はあくまで診療ガイドラインと筆者の主観を元に書いているので、これをすれば寛解できる!!というものではないです。 (あったら全員してる…)

ですので、実際に治療を行う過程では頭の片隅に入れておく程度にしていただければと思います。

ガイドラインに書いてないけど書きたいこと

たぶんガイドラインに書いてないけど自分的に必要だと思ったこと書きます。

脱軟膏・脱保湿について

アトピー性皮膚炎の標準治療では薬物療法や保湿などのスキンケアを行います。

そういった物に頼りたくないという、確固たる意志の有る方はブラウザバックしてください。

アトピー性皮膚炎は生理学的異常によって引き起こされる病気であり、根本治療する方法は無いので薬物療法や保湿をやめるのは悪手だと考えています。

大袈裟に言うと、糖尿病患者の方がインスリン注射を拒否する状態に近いと考えています。

なんとなくステロイドが怖いなど、外用薬に不安の有る方は一度最後まで読んでみてください。
外用薬が何者であるか理解することで不安が少しでも和らげばと思います。

病院の選び方

できれば総合病院や大学病院、クリニック問わず、アトピー性皮膚炎の専門医がいる病院に行ってください。

また、患部を見ずにステロイドを処方して終わりなどと行った診察を適切に行わない病院はハズレの可能性が高いです。

アトピーに関する治験を行っている病院も、アトピーに詳しいはずなので判断材料になると思います。

デュピクセントなど生物学的製剤を視野に入れて治療を行う場合は、予め生物学的製剤使用承認施設であるかを確認しておくと良いと思います。

また、慢性的な疾患は経過観察が大切なため、頻繁に病院を変えるのは辞めましょう。

要約

アトピーそのものを治す治療法は無い

疾患そのものを完治させる治療法はありません。

同ガイドラインにも明記されています。

アトピー性皮膚炎は遺伝的素因も含んだ多病因性の疾患であり,疾患そのものを完治させうる治療法はない.

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021, 3.2 治療方法.

また、多病因性であるのが厄介で100人のアトピー患者がいれば100個文の悪化因子の組み合わせが存在します。

Aさんはホコリと米、Bさんは花粉と小麦とストレスなどなど…

詳しくは後記する悪化因子の検索と対策を見ていただければと思います。

治療の目標

前の項で書いた通り基本的にアトピーは治らないので、アトピー治療の目標は、寛解状態を維持することであって根本的にアトピー体質自体を治すことではないです。

なので症状を抑え、如何に再発させないかがカギになります。

治療の最終目標(ゴール)は,症状がないか,あっても軽微で,日常生活に支障がなく,薬物療法もあまり必要としない状態に到達し,それを維持することである.また,このレベルに到達しない場合でも,症状が軽微ないし軽度で,日常生活に支障をきたすような急な悪化がおこらない状態を維持することを目標とする.

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021, 3.1 治療の目標.

治療方法

アトピー性皮膚炎の基本は

  • 薬物療法
  • 外用療法・スキンケア
  • 悪化因子の検索と対策

の3点が基本であり、治療において上記すべてが重要です。

某掲示板のコピペじゃないですが、1つでも欠けると治りが遅くなり、また治ったように見えても悪化します。

理由は簡単で、原因を排除しない限り薬で炎症を抑えてもその原因が無くならないからです。

薬物療法 (同ガイドライン 3.3 薬物療法.)

ステロイドやタクロリムス(プロトピック)、JAK阻害薬(コレクチム)などの薬物を用いた治療法です。

アトピー性皮膚炎の炎症は速やかに確実に抑えることが大切なため、十分な抗炎症作用のある薬を使う必要があります。

ステロイド

アトピー治療の基本となる外用薬です。

適切なランクのステロイド薬を十分な量を塗布し、炎症を速やかに抑えることが重要です。

ステロイドには以下のランクがあり、症状に応じて適切なランクを選択する必要があります。(患者側で選べないけど知っておいて損はない)

炎症を速やかに抑えることができれば、ステロイドのランクを下げることやステロイド以外の外用薬へ移行でき、長期に渡ってステロイドを外用することを避けやすくなります。

原則として顔はミディアム以下のステロイド外用薬を使用しますが、重症度に応じてはそれ以上のランクを用い、速やかに寛解させた後にステロイド以外の外用へ移行します。

基本的に主治医の指示に従いますが、1週間以上外用しても改善が見られないまたは乏しい場合はランクが足りていない可能性があるので、主治医に相談してみてください。


第一三共ヘルスケア ひふのいろいろQ&A
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021 27ページ 表12
外用回数

急性増悪の場合、1日2回を原則とします。

炎症が落ち着いてきたら、1日1回に外用回数を減らし、寛解導入を目指します。

それ以外の場合、1日1回外用し寛解を目指します。

外用中止

長期間にわたってステロイド外用薬を使用した後は、急激に中止すること無く寛解を維持しながら間隔を開けて投与します。

再燃を繰り返す場合は、プロアクティブ療法を検討します。

タクロリムス (プロトピック)

タクロリムスはステロイドとは全く異なる作用機序で炎症を抑制します。

タクロリムスは副作用の懸念などで、ステロイド外用薬の治療が困難だった場所に有効であるとされています。

そのため、顔や首に高い適用がある薬剤として位置づけられています。

成人用0.1%軟膏では、ステロイドのストロング郡とほぼ同等であると考えられています。

副作用

タクロリムスの副作用として、灼熱感、瘙痒、紅斑などが確認されています。

しかし、皮疹の改善に伴い軽減や消失することが多いです。

副作用が許容し難い場合、後記するデルゴシチニブなどJAK阻害薬を用いることができます。

デルゴシチニブ (コレクチム)

デルゴシチニブはシグナル伝達に重要なヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で、JAK1~JAK3を全て阻害し、免疫細胞の活性化を抑制します。 (*アトピーの湿疹は免疫反応だから)

デルゴシチニブ 0.5%軟膏では外用開始後速やかな改善が見られています。

1日2回、1回の塗布量は5gまでという用法用量を超えないようにします。

副作用

免疫抑制作用を有するため、毛包炎や痤瘡(にきび)、カポジ水痘様発疹症などの皮膚感染症が発現する可能性があります。

非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)

NSAIDsの抗炎症効果は、ステロイド外用薬と比べると極めて弱く、アトピー性皮膚炎に対して有効であるというエビデンスはありません。

また、欧米のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインの治療薬にNSAIDsは記載されていません。

副作用として接触性皮膚炎があり、湿疹を増悪させてしまう可能性もあるため、副作用を考慮すると使用は推奨されません。

おわり

まとめるの想像の何倍も大変なので、とりあえず外用薬について書きました。

間違いなどありましたらご連絡いただければ訂正致します。

次回は薬物療法の続きとスキンケアについてまとめます。

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